8月10日号の雑誌「POPEYE」にベトナム特集が載っている。

友人からの電話で、この雑誌の新しい企画のトップバッターに、なんと
「V-POPがフューチャーされている」
と聞いて、すぐさまコンビニに走った。
タイトルは、「ベトナムには"ゼッタイ"行きな!」。........らしいタイトルだ。

驚いたことに、いきなり、
「Vポップに呼ばれて走ってっちゃいました」
「Vポップって、なに」
と、記事が始まっていたのである。

........"V-POP"
僕がこの言葉を使いはじめてから3年。
別に目新しい言葉でもなんでもない。J-POPに引っ掛けて使っただけだ。
ただ、Japan のJ-POPより、Thailand のT-POP より、韓国のK-POPより、フィリピンのF-POPより、マレーシアのM-POPより、中国のC-POPより、なんとなくカッコいいかなぁとか、唇に心地よいかなぁとか、思って使ってきた。
........"V-POP"
この言葉が一人歩きしているのを見て、感無量な想いである。

僕は、3年前の当時、在米越僑の音楽が好きだった。
越僑の音楽、それはつまり、「移民の歌」である。
越僑の音楽は、ロック好きが想像する「移民の歌」というイメージとはやや懸け離れているように思う。演歌のようなアレンジ/暗く悲しく唸りに哭き/チープで古くて/カッコ悪い.....誰か友人に越僑の音楽を聞かせると、まあ、よくそんな感想を聞いたものだった。
音楽的テクスチュアが換気する感覚だけでは、理解できないものがある。そんなとき、イメージを膨らませようと僕が使った越僑音楽の社会的背景のテクストは、実はこうしたイメージを増幅させるようでもあった。「ベトナム戦争/難民/ボートピープル/リトル・サイゴン......」。しかし、越僑の音楽は、聞く人も、演る人も、音楽への思い入れも、音楽そのものも、一枚岩ではない。
"V-POP"という言葉の、なんともいえない意味のなさや曖昧模糊としたイメージが、「越僑の音楽」というイメージを広げてくれれば、と思っていた。

いま、"V-POP"という言葉が、「越僑の音楽」とか「ベトナムのポップス」とか、「ベトナム語による」とかいう分け方を越えて広がっていってほしいと思っている。
「POPEYE」の特集には、「ラム・チュン」や「タム・カー・アオ・チャン」が取り上げられている。みなベトナムを拠点としている歌手やグループだ。

*


先日の7/24に、ニフティのタイ部屋とベトナム部屋の合同オフがあった。

ちょうど、雑誌「POPEYE」を買った日だったので、「ベトナム特集があるよ」と雑誌を回した。
"Vポップ"という言葉が使われていた以上に僕が驚いたのは、「タム・カー・アオ・チャン」の写真とともに、「8月に日本でもデビュしまーす」と書いてあったことだ。
「タム・カー・アオ・チャン」の日本デビュー!
真偽は知らないし、デビューがさす意味もよく分らない。ともあれ、ビッグ・ニュースである。日本での"V-POP"の新たな展開だ。

そんなことをカトピリさんと話していた。

カトピリさん:「日本のベトナムの音楽といえば.......ずいぶん前に日本でも難民 でデビューした人がいましたよね.....」
Mua Thu:「え、それって聞いたことがあるんですけど、冗談だと思っていたん ですが.......」
カトピリさん:「たしか、アオザイ倶楽部でも話題に出たことがありますよ..... 名前忘れちゃったけど」
Mua Thu:「え、本当なんですか、う〜んと、なんだっけ、たしか......そうそう"Luu" なんとかって...」
カトピリさん:「そうそう、ルー・フィン・チャウ!、アオザイ倶楽部の過去ログを引いてみればありますよ」

*


僕がルー・フィン・チャウという名前を聞いたのは、つい最近のこと。
ラジオのパーソナリティとしてギャグ&若者向け番組トークショーをやっているバンド仲間の友人と、スタジオの休憩時間の雑談で、"V-POP"の話をしているときに上がった名前だった。
「ベトナムといえば、ルー・フィン・チャウっていたよねぇ....そんなアイドルがいたんだよ.....ハッハッハ」
こういう人だから、ギャグでしかないと思っていた。だいたい、名前がベトナムっぽいけど、なにか違うような気がする。「ずいぶん昔の話....1970年代の半ばぐらいかなぁ.......(実際のデビューは1980年代)......」と言っていた上に、「孤児がデビュー」とか言っていたから、時代背景的にも作り話だと思っていた(ちなみに僕は1970年生まれ28才なので、当時の音楽状況などは知る由もない)。だから、一応、ちょっとチェックしてみたが、よく分らなかったので、無視していた。

その名前を、カトピリさんから聞いたのだ。
その名前は、確かにアオザイ倶楽部の過去ログにもあった。

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日本@"V-POP" そして、ルー・フィン・チャウ
「タム・カー・アオ・チャン」のデビューの噂のある今、日本における"V-POP"の流れを再び追ってみる意義はあるだろう。アイドル・マニアにしてみれば、あるいは、その当時を知っている人にとっては、「幻」でもなんでもないかもしれない。
しかし、"V-POP"の広がりを日本の視線から追うためにも、そう、そして、たぶん日本でしか使われていない"V-POP"という言葉の可能性を探るためにも、いま、ふたたび、「ルー・フィン・チャウ」......追い掛けてみよう。

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[Special ThanX to ...]
カトピリさん/S氏/T氏






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