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Duce h.p... / BOOKS

世界思想社から発売されている
「プロセスが見えるメディア分析入門」のご紹介です



定価(本体2300円+税)
 「プロセスが見えるメディア分析入門」
 〜コンテンツから日常を問い直す〜

編 者:藤田真文、岡井崇之
出版社:世界思想社
出版年:2009年
 (ISBN978-4-7907-1405-7)

 見ているだけで
 いいのか

 多様なメディアのメッセージを
 今日から自分で読み解くための実践的入門書

本書 帯より



 2009年4月に発刊されたこの本は、法政大学の藤田真文先生と同じく法政大学の岡井崇之先生が編集した書籍です。

 本書の序論で、編者の岡井先生は、「いままでのメディア分析は・・・いかに美しい分析結果を導き出したか、新たな発見があったかが重視され・・・分析や考察、それに至るまでのプロセスは『見せるものではないもの』とされ、なかなか読者がアクセスできるようなところに出てこなかった」と述べています。この「見せるものではないもの」を見せ、メディア研究者がこれまで明かしてこなかった、いわば手の内を存分に見せてみよう、というのが教科書としての本書のねらいの一つだと思います。

 目次をみてもお分かりのように、多様なメディアの分析事例が掲載されています。またそれぞれのサブタイトルに「○○学」「○○論」とあるように、研究アプローチは非常に多様で、メディア研究だけではなく広く学ぶことができ、同時にメディア研究を行う上での学習視座を身につけることができるような構成になっています。さらに、各章は、大学の授業に対応するように、10数週分のどの週にどの部分を読み、何を学び、そしてどう「実習」すればよいのか、ガイドがされており、教科書に実践的に用いられるように編集がなされています。

 日吉は、本書では第五章の「エスニシティの表象と『外国人』イメージ 〜CMの世界の人口統計学」という部分を執筆し、メディアの「内容分析」の方法について、解説しています。

 藤田真文先生には、常日頃からご指導いただいておりますが、2005年度には法政大学社会学部の「メディア分析実習」の非常勤講師を担当させていただきました。本書の私の執筆部分は、この授業を受け持った際の経験が大きく影響していると思います。ゼミ形式の授業では、「テレビジョンのメッセージ分析」という報告書も作成し、熱心な学生さんに囲まれました。改めて感謝の意を表したいと思います。また、企画時から、本書の著者が集まって研究会を開いてきました。貴重なご意見をくださったみなさまに心より感謝申し上げます。

2009年 日吉昭彦


もくじ
 
まえがき:岡井崇之

  第一章 メディアを分析するということ:岡井崇之

  第二章 筋書きのないドラマの「語り」を探る
     〜スポーツダイジェスト番組『熱闘甲子園』における物語論〜 :加藤哲郎

  第三章 「笑い」と「涙」の生産と流通
     〜情報バラエティの環状経済学〜 :水島久光

  第四章 美容整形バラティのミクロ社会学
     〜『ビューティー・コロシアム』から考えるメディアと身体〜 :岡井崇之

  第五章 エスニシティの表象と「外国人」イメージ
     〜CMの世界の人口統計学〜 :日吉昭彦

  第六章 テレビドラマの社会史
     〜1970年代の若者像を探る〜 :藤田真文

  第七章 「視聴者の反応」を分析する
     〜インターネットから見るオーディエンス論〜 :西田善行

  第八章 <女子高生>はなぜブームになっったのか?
     〜週刊誌記事のジェンダー論〜 :辻泉


◆ 掲載の一部 ◆
※本文は、「プロセスが見えるメディア分析入門」の、日吉担当分の第5章の冒頭部分の一部を掲載したものです。ご関心を持っていただけた方は、是非、本書をご購入ください。

エスニシティの表象と「外国人」イメージ
      〜CMの世界の人口統計学〜

日吉 昭彦

はじめに

 日本のテレビ・コマーシャル(以下、CM)のなかの「外国」文化や「外国人」イメージは、欧米指向・白人志向の傾向が強いとされてきた[小坂井 1996:19-43、FCT 1991、日吉 2001:89-101、萩原2004:5-26 など]。一方、現実の日本社会では、主にアジアや南米出身の在日外国人の増加傾向など、「人の国際化」や「内なる国際化」と呼ばれる社会の変動が進んでいる。社会の変化のなかで、メディア・イメージにはなんらかの変化が見られるだろうか。

 1970年代のアメリカで盛んに行われたテレビにおける「アフリカ系アメリカ人」のイメージについての研究のなかでも、メディアの「内容分析」というメッセージ分析の方法を用いた研究によると、公民権運動の後には、メディアの描写が改善するなど、社会の変化のなかでイメージが変化したことが報告されている[日吉 1999b:1-36]。それまで「アフリカ系アメリカ人」は、ほとんどテレビに登場することがなかったか、登場する際にはしばしば差別的な扱いを受けていたという。こうした変化は、ウーマンリブを背景として行われたメディアの女性イメージの研究でも報告された。

 アメリカで民主党の大統領候補がアフリカ系と女性で争われたことは、記憶に新しい。CSの放映やレンタルビデオ店で流行の海外ドラマ『24(Twenty Four)』では、現実よりも少し早く「アフリカ系」の「大統領」が生まれている。メディアとは、少し現実を先取りして、私たちに新しい世界を見せてくれるものなのかもしれない。

 私たちが今、「アフリカ系アメリカ人」がほとんど登場しなかったという30余年前のアメリカのテレビ番組や、まして当時のCMを視聴する機会は、少ないだろう。当時のメディア状況を知る手立ては、データからの推測しかない。こうしたデータを生み出してきた研究方法に、メディアの「内容分析」という方法がある。テレビに登場した「アフリカ系アメリカ人」の登場人物を一人ひとりカウントする、テレビのなかの人口統計学とでもいえるような方法を用いて、実証的にデータを後世に伝えている。そして、社会の変革を志した運動の成果を、メディアというもう一つの世界で問い直したのだった。

 本章では、このようなメディアの「内容分析」の方法を、より実践的に行う方法の解説を行っていきたい。CMのなかの「外国人」登場人物の分析をモデルケースとして、分析方法やテーマ設定の仕方、実際の調査の進め方などを紹介していく。社会調査の基礎の一つである人口統計の手法を応用した分析方法の解説であることから、広く行われている社会調査の方法をふまえながら、メディア分析の方法の解説を行っていきたい。また、実際に行ったメディア分析の結果とともに、日本社会や文化の変容などについての分析視点を紹介していく。

→ 続きにご関心がある方は、是非、本書をご購入ください。




 
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