共著論文のご紹介


社会的現実を作るメディアトーク
 -ニュース報道の共鳴化-

川上善郎、日吉昭彦、石川玲子、松田光恵、鈴木靖子
コミュニケーション紀要
第16号
pp29-129
2003年3月


多様なメディアによる多様なニュース伝播のあり方から、社会的現実の形成過程を、実証的な調査を通じて明らかにした論文です。

テレビニュース、ワイドショー、新聞、スポーツ新聞、インターネット新聞などを題材に、2001年3月期(一週間)に起きた主要なニューストピック(15種類)が、いつ、どのようなメディアで、どのような量で報道されてかを検証し、メディア間のニュースの重複や共鳴化などの現象について、数量的な内容分析調査により考察したものです。期間中のニュースを全て録画して分析するなど、大量のデータに基づいた詳細なニュース伝播過程を明らかにしています。


分析に用いた当時の主要なニューストピックは次のとおりです。

国際関連のニュース
1 米原潜問題で前艦長が行方不明者家族に謝罪
2 コロンビアで邦人社長が誘拐される
3 機密費流用問題で外務省松尾元室長の逮捕
政治・経済関連のニュース
4 森首相が事実上の辞意を表明し、自民五役と会談
5 森首長が「拾われた赤ん坊じゃない」と発言
6 三菱自動車クレーム隠しで株主代表訴訟
社会・事件関連のニュース
7 タバコと酒の自販機禁止を深浦町が条例可決
8 運転手が運転席を離れ、新幹線が無人で走行
9 マイラインの登録状況はNTTがひとり勝ち
スポーツ関連のニュース
10 スピードスケート世界選手権で清水宏保世界新
11 サッカーくじ、totoでいきなり一億円2本
12 シアトル・マリナーズのイチロー初死球
芸能関連のニュース
13 篠原ともえ、台湾で酔って大騒ぎと報道される
14 玉三郎「21世紀座」芸術監督辞任で提訴へ
15 久米宏の母が痴呆。妻更年期障害の日々を告白


日吉は、この論文のニュース分析のいくつかと、「まとめ」の結論部分を担当しました。メディアが相互に語り合うようにしてニュースが伝播される過程を「従来のパターン/活性化現象/飛び火現象/玉突き現象」などのようにモデル化して示すなどしています。

共著者のみなさんとの1年に渡る研究会(ワイドショーとニュースの研究会、通称「ワニ研」と名付けていました)で完成した論文です。会をまとめてくださりご指導いただいた川上先生に感謝申し上げます。

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2003年 日吉昭彦