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「タイ米」に関する報道の内容分析
〜 朝日新聞の紙面分析 〜
Contents analysis on the Thailand's rice news
〜Analysis of the Asahi〜

日吉昭彦(成城大学大学院文学研究科)

第12回 日本比較生活文化学会 年次発表大会
(於 立命館大学・アカデミア立命21)
1994年 10月15日/16日
山中正剛、◯日吉昭彦




発表要旨

n the fall of 1993,because of the poorest harvest after the World War2,resulting from the irregular weather, rice,the Japanese staple food was urgently imported from Thailand and other countries. Now the liberalization of the rice is claimed,imported rice was on the table of the Japanese family,and as the natural result,Thailand's rice became the major issue and a rumor changed the Japanese commodity life,and made them think about Japanese way of life. We would say that disadvantageous image given to the Thailand's rice among Japanese was the rusult of the wrong information provided by the mass media. We would like to consider the following points :How the Asahi reported the Thailand's rice? How the Thailand's rice was positioned? Considering these points,we would like to decode the meaning given to the original Japanese rice and the imported rice as a new framework in the Japanese dietary culture,and we hope the result of this research would be a helpful point of view about the internationalization of Japan from now on.

現在、日本に入ってくる外国人は増加し続けている。必然的に日本人は異なった文化に触れ、対話し、それらを相互に理解する必要性に迫られていると言える。そのような時、日本人の主食「コメ」が、「天候不順による戦後最悪の凶作」のため、「緊急輸入」された。食卓に輸入米が上り「コメの国際化」が叫ばれる中で、「タイ」からの輸入米が大きな話題となった。情報とうわさは消費生活を変え、飽食の舌は政治と日本を考えさせた。「平成の米騒動」とさえ言われた1993年秋から、1994年春にかけて起きたこの現象は、「食」という文化を通じて異なったものに触れる機会であった。
輸入された米はアメリカ、オーストラリア、中国、タイ産のものが中心であったが、話題はタイ米に集中した。米の自由化と市場の部分開放、それに対する農家の反対、食糧管理制度と流通市場の矛盾、米の消費と味、異物混入のうわさ。そして国産米と外国産米の分化。この時期は米に関する報道が爆発的に増大している。その中で、タイ米は「不人気」とされた。「まずい」とされ「扱いづらい」とされた。タイ米を使わない米製品は宣伝の文句となった。新聞の紙面はどのようにタイ米を報道したのか。米論議のなかでのタイ米をどのように位置付けていたのか。
「タイ米」がある意味で差別的に報道されたことは、マスコミが「タイ」に関して、エイズや売春婦、貧困など問題に偏った焦点をあててきたことと関連があると考えられる。しかし「タイ米」が食卓に上ったことから「タイ」が身近になったという者も増えているのも事実だ。コメは日本にとって特異な記号を持つ産物と言える。ある意味で「日本人性」を与えられてきたコメは、今後、マスコミによってどのような新たな意味が与えられることになるのか。
食文化の中に、新しい枠組みとして参入した輸入米に与えられた意味を読み解くことから、現代日本が「入ってくるもの」とコミュニケーションするやり方を見つつ、今後の日本の国際化を考える際の1視点にしたい。
研究仮説
「異なるもの/見知らぬもの」には、偏った情報や優勢な意見によって作られるステレオタイプが大きな影響を与えるといえるだろう。タイ米に与えられたマイナスイメージ(味/品質/価格/評判など)はマスコミの提示する情報との関連が大きいと考えられる。
タイ米のマイナスイメージ形成要因には、新聞での情報に一定の偏りがあったのではないか。他の外国産米とは違った取り上げられ方をしていたのではないか。
世論や政治的な環境の変化とともに、タイ米のマイナスイメージを補強する方向の報道が行なわれたのではないか。
研究方法
朝日新聞の記事から米に関するものを抜き出し、内容を量的に把握する。
時期は、天候不順による米不足が報道され始めた1994年9月から、供給安定による消費者混乱の報道が一段落する1994年4月を選んだ。
記事が関連する内容項目を分類し、「米全体、タイ米、外国米」の内容項目を量的に比較する。
政治的、経済的な報道と記事内容の推移の関係を把握する。
タイ米を表現した言語から、タイ米に与えられた意味をその他の米と質的に比較する。
この研究では現地タイの新聞が日本のタイ米騒動をどのように扱ったかを比較するつもりであったが、研究時間の都合のため今後の課題になってしまったことが残念なことである。



 
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